■地震保険金額を増やすべき建物とは?
地震保険は平成30年4月から制度が変わりました。
建物に関しては
全損 ※建物の経済的価値の50%以上が損失 地震保険金額の 100%
大半損 ※建物の経済的価値の40%~50%が損失 地震保険金額の 60%
小半損 ※建物の経済的価値の20%~40%が損失 地震保険金額の 30%
一部損 ※建物の経済的価値の 3%~20%が損失 地震保険金額の 5%
となりました。
またこの建物の経済的価値が失われたかどうかは、ダメージの深さと、その範囲によって決まります
(細かい内容は私もまだわからないので、わかる方ぜひメールください)
例えば、鉄骨部が見えるようなコンクリート部分の崩落があれば非常にポイントが高くなります。
また同じひび割れでも、縦のひび割れはポイントが低く、横のひび割れはポイントが高くなります。
ひび割れはモルタル部分がひび割れて、加算されますが、昔の地震で一度ポイントが取られたヒビが成長しても基本的には、新しい地震でポイント加算されることがないため、モルタル部分を三角に削って、再度その部分にモルタルを入れて修復した写真を撮っておくと、より抗弁しやすい内容となります。
また重要なポイントとしては、RCや鉄骨の建物の場合は、鉄骨で建物を支えているため、基礎の部分のひび割れに関しては、ノーカウントとなりますが、木造物件では、カウント対象となります。
更に、在来工法で建てた木造建物は、保険が出にくいのですが、2×4(2バイ4)で建てられた物件に関しては保険料が出やすくなります。
※在来工法とは、建物を木の 軸で作って、生活の為に、壁を貼ったもので、建物自体はあくまでも木の軸で支えている工法です。
そのため、地震によって壁が崩れても保険支払い算定のためのポイントは加算されません。
2×4工法の場合は、壁によって、建物を支えているため、地震により壁が崩れたり、ひび割れした場合には、ポイントが加算され、地震保険が出やすくなります。
そのため、同じ木造物件の建物を持っている場合は在来工法のものよりも、2×4でたれられた建物の、保険金額を増やしたほうが効率的だと考えられます。
■特約、立地の観点から火災保険上限額はいくらに設定したらいいの?
多ければ、多いほど安心ですが、支払われないくらいかけても無駄ですし、実際に事故が起きたときに十分支払われないと困りますよね?
ここでの考え方のポイントは、地震保険は、上記のように保険金額の支払いが、ダメージによって厳密に決まっていることです。
火災保険は、これが決まっておらず、起きた事故に対していくらの修繕費が妥当かを考え、これによって金額が決定するわけです。
つまり、同じ古さ同じ面積の物件であったとしても、施工費の額は立地や形状によって変わるわけですから、それに合った保険をかけるべきということです。
具体的に言うと、階段立地の物件の場合は、解体のお金も高いですし、工事のための部材を運ぶ費用も高くなります。
また、隣地との境界が極めて狭い物件の場合は、足場を立てることが難しく、最悪、上からロープをつるして人がぶら下がって修繕を行う工法が取られるため、修繕費用が非常に高くなります。
では多く掛けたらいいのかというと、これも考え物で、現実には3000万円で再建築可能な建物でも、保険金の上限額は4000万円でかけれたりします。
この際は、1000万円に関して保険会社にその正当性を問われたとき、抗弁がうまくできない場合は上限額4000万円で保険を設定していたとしても、支払いの
上限は3000万円となってしまうわけです。
■実際に火事に合った時の火災保険の掛けるべき金額について
これは、リスクをどう考えるか、また建物の立地や形状もよく考えて判断してください。
極端な話、道路が大きく、消防署が近くにある物件で火事が起こったとしたら、消防車がすぐに駆け付けて火を消してしまうので、このケースでは1部屋以上が燃える尽きることはあまり考えにくく、燃えてもその上階までとなるケースが多いと思います。
それに対して、田舎や、道が非常に狭く、仮に火事に合った時に十分な消火活動が行いにくい建物が火災にあった場合は、被害が広がる可能性が高いわけです。
しかしそれでも、建物の躯体が同じだった場合は、同じ保険金となります。
このことを考えたときに、貴方がもし、地盤の固い都心部で、道路付けが良い立地にRCの物件を建築した場合、MAXの火災保険や地震保険をかけるべきでしょうか?
見解は分かれると思いますが、私はそうは思いません。
特に地震に関しては、一度の広域災害における、最大の総計地震支払い金額は11.3兆円までと決まっているわけで、固い地盤の上に立った、新築のRC物件が倒壊するような地震が起きた場合は、どう考えてもその金額規模を上回るため、満額の地震保険が下りるとは考えられないと思います。
■保険のまとめ
上記のように、保険は意外な勘違いがあったり、物件によって条件は違うのに、補償内容や、リスク、掛け金は一定だったりしますので、きちんと内容を理解して自分に合った保険を選ぶことがこれからの大家さんには、求められていくのではないでしょうか?
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