不動産購入・仕入れ

2023年における新築のリスクと、コストダウンについて 前編

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■ 2023年の新築契約と現状

新築は、ウッドショック、ウクライナロシア戦争などの影響や、職人不足、人件費高騰でかなり建築価格が上がり、5年前に坪単価110万円で建てられていた建物が、坪単価160万円ということありえるような市場です。
またその一方業者が、赤字ギリギリもしくは赤字で坪120~130万円で受けた仕事でトラブルが起き、工事が止まったり、建築会社が倒産するようなケースも散見されます。
一方家賃は横ばいではなく、少し上振れしてきており、数年前に建てた新築は契約更新ごとに家賃が上がり、新築プレミアムよりも高い家賃での契約更新や新規契約の取得も可能になっています。
※ 私がここ数年で建てた6棟はすべて家賃が上がっています。特に都内の物件の家賃は10%近く上がっている物もあります。

■ 建築リスクについて
都内で新築RC7.5%以上を作ったことのある投資家だけが参加できる某集まりで情報交換をするのですが、現在建築は非常にリスクが大きく体感値で10%強の案件で、建たないや、大幅な期限遅れが出ています。
これを完全に防ぐのは非常に難しいというのが結論です。
なぜならば、投資家は少しでも安く建てられる建築会社を求め、安いということは利益が少なく、その会社の体力がないという事です。
また安い会社で利益が出ていないなら、比較的優秀な人材が少なく人的トラブルによる想定外の損失が発生するリスクも当然高いと言えます。
この安い会社で建築をリスク低く進める方法は、実はあります。

 

■ 建築リスク管理について

建築リスクを抑える方法は簡単に言うと、出来高払いで建築費を支払うということです。
ただし、これは一般的な大家さんがやる
契約10% 基礎30% 上棟30% 完成30%
のようなものは全く異なります。
もっと細かく、支払いを分け、さらに現場からの報告が正しいとは限らないので支払いごとに現場に確認にいき状況をチェックしたうえで、支払いを行うというもので、これは施工経験がない大家には不可能と言えます。
私も何棟も建築をこなしているため。ほかの大家さんよりは建築に対して詳しいとはいえ、上記のようなことははっきり言ってできません。
それゆえ結論は、リスク低減の方法はあるものの、一般の大家には不可能ということで、それを本当に行いたいなら、建築の専門家に外注するという方法になります。

また、建築会社の決算書からそのリスクを読み解くという方法もありますが、RCの場合建築期間が9~15カ月はかかるものが多く、帝国データバンクの決算書をみてもどうしてもタイムラグがある上に、契約時に問題なくても工事が進んでいく期間においてリスクが発生してしまうということも考えられます。

上述の点を踏まえて、一つリスクを下げる方法があるとすると、その建築会社にお金を貸している金融機関から紹介を受けることです。
これは金融機関から見てある程度安全と判断しているから紹介していることが多いと思われ比較的安全度は高いと考えられます。
しかしながら、絶対かといわれると銀行がその法人にお金を貸していて、実は赤字で厳しい状態であり、資金回収するために、私たちを契約させて振り込んだお金を回収する・・・
ということも考えられなくはないため、やはり怖いと言えば怖いです。

そのため知識があり調査能力があれば、建築リスクは多少は下げられるものの、絶対安全ということはないので、利益に対してそれなりのリスクはあるということを理解したうえで、机上の空論で利益を計算してニヤニヤするだけではなく、もしもに備えた資金繰りをする必要があるわけです。

 

■ 今後の新築の考え方

建築価格の高騰は今のところ、人件費高騰や、職人不足が解決する要素はなくむしろ悪化しそうで、ウクライナロシア戦争が終結してようやく少し落ち着くかなという状況です。
なので数年単位で見ると高止まりもしくは、希望的価格予想で少し下がる程度ではないでしょうか?
家賃の今後の伸びについては都内や地方都市の一等地なら給与の伸びに合わせて多少は伸びる可能性があるものの大きな上振れの期待は難しいでしょう。
これは家賃には、固着力があり、リーマンショックやコロナショックで家賃が下がらなかったように、上げ下げが起きにくいためです。
そのため家賃の上昇率は物価よりは上がりにくいと考えるべきでしょう。
このような状況の中で、新築を作る大家ができることは5つです。

① 他の投資や、貯蓄で十分な資金力を用意して、もしもの建築リスクに備える。
② 良い決算書を作って頭金を入れ、より安い金利で資金調達する。
③ 管理費、管理コストを下げ経費を抑える。
④ デザイン、間取りを工夫して家賃が少しでも高く取れる物件を作る。
⑤ 同じ仕様の中で、なんとか建築費を下げる。

この中で、④⑤以外は下記の過去ブログをご参照ください。
① 他の投資や、貯蓄で十分な資金力を用意して、もしもの建築リスクに備えるについては、
不動産投資家における自宅売却戦略
サラリーマン卒業を見据えた、法人、個人での物件保有について

② 良い決算書を作って頭金を入れ、より安い金利で資金調達するについては、
融資に勝てる決算報告

③ 管理費、管理コストを下げ経費を抑えるについては
不動産経営における小さな利益の拾い方
空室割合における、家賃と募集条件の考え方

また④ デザイン、間取りを工夫して家賃が少しでも高く取れる物件を作る。
に関しては、設計士の先生や、デザイナーの方、ベテラン大家さんの新築物件の見学などに行き、個別の立地条件の要素を大いに踏まえて理解しながら場数を積んでいってもらえればと思います。

次回はメインテーマを⑤   同じ仕様の中で、なんとか建築費を下げる。
としてお話ししていきたいと思いますのでぜひ楽しみにお待ちください。

・2023年における新築リスクとコストダウンについて 後編 はこちらから

 

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