そもそもセットバックとは
不動産業界では、建築基準法上、斜線制限等により建物の上部を下部よりも後退させること、また、2項道路に接している敷地で道路の境界線を後退させることの2つを「セットバック」といいます。 セットバックとは、英語で「後退」を意味します。 なお、2項道路(幅員が4mに満たない道路)に面している場合には、少なくとも道路中心線から2mはセットバックしないといけません。
私が見つけたある再生物件なのですが、前面道路が2.5メートルくらいでしかも片方が擁壁になっているので、これは1.5メートル後退の相当土地が削られる案件だと思っていたものがあります。
しかしながらこの案件は、実は後退が0メートルでした。
これはいったいどういうことでしょうか?
セットバックが緩和される条件とは
孫子大家が購入することになった、今回の物件前述のように前面道路が2.5メートルくらいでしかも片方が擁壁になっていました。
しかしこの先の擁壁側の土地は実は、市が持っている物件でした。
そして近物件の所在の市は、あまり財政的に裕福な土地ではありませんでした。
市に問い合わせしたところ、市の見解としては下記のようになりました。
『孫子大家さんのおっしゃられる通り、本道路は中心線から2メートルずつ後退してセットバックして道路を42項道路に適合させていく必要があります。』
『しかしながら、今回結論から言うと孫子大家さんはセットバックする必要がありません』
ん?孫子大家さん、、、セットバックする必要がない???
市の担当者さんは続けます
『といいますのも、孫子大家さんにセットバックしてもらった場合、市としても逆側の擁壁を作り直して道路を拡張する必要が出てきます。しかしながら長い道路をすべてセットバックしていくと数億円規模の費用が掛かり行政としてはそれに対応することができません。』
『以上の理由から、孫子大家さんもセットバックしていただく必要はありません。』
・・・なんと、こんな要件本で見たことはないですが、こんなこともあるんですね。
皆さんも擁壁の先に物件がある際は確かめてみたらいいことがあるかもしれませんよ^^
セットバックが無視されている?
孫子大家が見た実例・・・
孫子大家は法令に従って投資を進めていくことをお勧めしますが、現実に無視されている実例を見たことがあります。
道路が4メートルに満たない場合、中心線から2メートルの位置まで後退しなければならないというのは、
・知っているかどうかだけ!道路の知識が生み出す儲けの源泉
でもお伝えした、一般的な事で、普通は立て直しの際にセットバックしていきます。
しかしセットバックなしで建築確認申請や完了検査にパスしていることがあります。
皆どんなインチキをしているのでしょうか?孫子大家がやっているわけではないので、これは推測ですが、おそらく塀などガイコウ工事をしないで建物だけを立て直すとこのセットバックの措置をしないでも建物を立て直すための建築確認申請が通るのだと考えられます。
状況証拠ですが、たいていこのような建て替えをした家はピカピカ家を建てたのに、周りを囲う塀だけは古いままだからです。
そして、しばらく経ってからセットバックなしで塀を作り直してます。
推測ですが、完了検査時に塀(=道路との境界にある工作物)さえ再構築されてなければ、セットバックする必要はないのだと判断されるのではないかと思います。